シーズニングの方法

ダッチオーブンのシーズニングの方法は、全部でこの「オリーブオイルを塗る」「焼く」「冷ます」の作業を３回ほど繰り返します。

フタも鍋本体と同じようにオイルを塗って焼きます。

仕上げとして、油を少し敷いたダッチオーブンで野菜炒めを作ります。

これは鉄臭さを取るためです。

使う野菜は、ネギ、玉ねぎ、しょうが、セロリといった香味野菜を使います。

くず野菜で結構です。

炒めた野菜は、食べずに捨てましょう。

この野菜炒め作業も２度繰り返します。

最後に柔らかい布などでダッチオーブンを拭き軽く油を塗っておく。

これでダッチオーブンはシーズニングされました。

時間と手間はかかりますが、しっかりシーズニングをして鍋を鍛えておきましょう。

これから使うたびに鍛えられてきて、黒光りしたブラックポットへと成長していく様を見るのはとても楽しみであり、愛着のわいた逸品になるでしょう。

なお、最初の料理はフライドチキンとかローストビーフのように、油を使うものがお勧めです。

使用後は錆びさせないために毎回必ずメンテナンスをしなければなりません。

これを繰り返していれば、本物のブラックポットへと成長して、ダッチオーブンの油がしみこみ錆びにくくなり、油なしで調理することもできるようになります。

メーカーでいえば、ロッジ社のダッチオーブンがお勧めです。

鍋と蓋のすり合わせの部分の出来がぴったりしているからです。

ダッチオーブンを選ぶ上でこれが重要なポイントの１つです。

ロッジ社のダッチオーブンは、今なお世界中で根強い愛好者を持ち続け、近年日本でも脚光を浴びています。

自分のダッチオーブンをブラックポットへ進化させることができるのは、100年余り鋳鉄製調理器具を一筋に作り続けてきたロッジ社の製品だけといっても過言ではないでしょう。

シーズニングとは

ダッチオーブンは、買ってきてすぐに使うことは基本的にできません。

すぐに使えるタイプもあるようですが。

鋳鉄製のダッチオーブンは、まずシーズニングと言われる作業が必要です。

シーズニングとは、慣らしということです。

これは、出荷時の錆び防止ワックスを落とすことと、鍋に油を馴染ませるとともに焼きを入れて鍛えてあげることです。

鍋は鍛え上げるほど、馴染んでくれます。

鉄製の中華鍋やフライパンも同じように慣らしをすることと思います。

最初のシーズニングを念入りにすることによって、後々のメンテナンスが楽になりますし、輝きが違ってきますから、念入りに作業してください。

常に手入れをしなければ錆付いて使い物にならなくなったりしますから手間はかかりますが、マメに手入れをしていけば自分だけの一生もののアイテムになっていきます。

これがよく言うブラックポットへの成長です。

シーズニングの第一歩はワックス落としです。

鋳鉄製のダッチオーブンは、出荷時、錆び防止のためにワックスを塗って仕上げてあります。

まず、中性洗剤でゴシゴシ塗ってあるワックスを洗い流す。

スポンジかやわらかいブラシでダッチオーブンの内部、外、蓋をよく洗う。

これを２度繰り返します。

鍋に水を張って沸騰させ、アクを抜きます。

お湯を捨てて、キッチンペーパーややわらかい布で水分をふき取り、自然乾燥する。

オリーブオイルなど無塩で質の良い植物油をキッチンペーパーや布で全体に薄くまんべんなく塗りこむ。

ダッチオーブンの裏表全部に塗る。

家庭用のガスコンロの上に載せ弱火で下から熱して、200度 ぐらいの温度を保つようにします。

ちなみに200度とはダッチオーブンの底に手を近つけ 、3秒ぐらい我慢できる温度が目安。

高すぎてもシーズニングとしての油の膜が割れてしまうし、低すぎても油がなじまない。

煙が大量に出ますが、気にせず焼きます。

1時間ほど熱したら自然に冷めるまで待ちます。

この段階でグレーから少し黒くなってきているはずです。

冷めたらまた油を塗って繰り返す。

ダッチオーブンの由来（調理具）

なぜこの鍋がダッチオーブンと呼ばれるようになったのか、色々な説があるようですが、オランダ人が売り歩いたとされる説が有力みたいです。

英蘭戦争に敗れたオランダ人が、古くからヨーロッパで重用されてきた鋳鉄、つまり鋳物の蓋付き鍋をアメリカ大陸で売り歩いたという説です。

オランダ人のことをダッチと言うそうです。

ニューヨークを最初に植民地にしたのは、オランダ人です。

商魂たくましきオランダ人は、日用雑貨品など「これは売れる」と思ったものを訪問販売で売り歩くのが得意だったそうです。

他には、開拓者ダッチ・オリリーと言う人が自分の名を付けたと言う説もあるようです。

そのようにしてヨーロッパからアメリカへ伝わり、アメリカ人の間で愛されてきた調理器具になったようです。

当時、オランダ人が売り歩いていたダッチオーブンは、脚もなければ、ふたにフランジもないツルンとした、豆のような姿をしていたので「ビーン・ポート」と呼ばれていました。

これがキッチンダッチオーブンです。

やがてイギリスとの独立戦争が終わり、人々は新天地を求め西へ西へと幌馬車で大移動を始めました。

アメリカ西部開拓時代です。

彼らの生活はまさしくキャンプであり、当然ながら調理の熱源は焚き火でした。

キッチンオーブンは直接焚き火に掛けてもびくともしない鋳物の鍋、しかも保温性に優れていたので、彼らにとってはとても重宝な鍋だったようです。

開拓者や入植者が、野外では焚き火で調理するために薪の上で安定がいいようにと底に３本の脚が付くようになりました。

蓋の上に熾き火をのせて、オーヴンとして使い易いように蓋にフランジを付けたりもしました。

また、蓋の裏面をフライパンとして使えるように改良を重ねてできたのが、現在のキャンプ用ダッチオーブンです。

カウボーイ達は厳しい仕事をしながら荒野を旅する。

そんな彼らは質実剛健な道具を選ぶ。

彼らにとってダッチオーブンもその道具の１つであったはずである。

アメリカの西部開拓時代のカウボーイが活躍していた時代から、南北戦争を経て現在に至るまで、アメリカで愛され続けてきた鍋です。